新人女性騎手、芦原瑞穂(平手友梨奈)は養老牧場を営んでいた父を震災後に亡くした。その後、中央の競馬学校を卒業し、プロデビューするものの成績は上がらず苦しんでいた。そんな瑞穂を迎え入れたのは、地方競馬の鈴田競馬場の緑川厩舎だった。そこは、今にもつぶれそうなボロボロの厩舎で、やる気のない調教師・緑川光司(中村蒼)と、頑固で融通の利かないベテラン厩務員たちと馬には優しいが人には心を閉ざした失声症の若い厩務員がいた。そこは、社会のあぶれものばかりが居る藻屑(もくず)の漂流先と言われ、他で使い物にならないと言われ者たちのたまり場だった。